三国

孫堅の歿年

標題見て辿り着いた方に注意! 正史ネタではありません(笑)特に理由もなく柴錬三国志なんぞを読み返しているのですが、そこで気になった記述あり。 まず、「巨星、墜つ」の章から引用。孫堅は、頭蓋をみじんに砕かれ、脳漿を八方に散らして、仆れた。 初平…

崔州平の父

ボチボチ再開します。何となく気になったのでメモ。諸葛亮の数少ない友人(笑)として、『三国志』蜀書・諸葛亮伝には崔州平が登場します。諸葛亮伝の本文では、博陵の出身であることしか判りませんが、その裴註には、按崔氏譜。州平。太尉烈子。均之弟也。…

『三国演義』という名称

更新滞ってます……さて、以前本院で南飛烏鵲楼 『三国志演義』と『三国演義』てな記事を書き散らしたことがありまして、それに関連して面白い言及を見つけたのでメモ。 3は、小説『三国志演義』の書名の変遷について考察した刺激的な論考である。〔陳翔華〕…

劉備の身長

『三国志演義』毛宗崗本第1回 那人不甚好読書。性𥶡和、寡言語、喜怒不形於色。素有大志、専好結交天下豪傑。生得身長七尺五寸、両耳垂肩、双手過膝、目能自顧其耳、面如冠玉、脣若塗脂。中山靖王劉勝之後、漢景帝閣下玄孫。姓劉、名備、字玄徳。 (中央研究…

諸葛亮の北伐と姜維の北伐

本院の方で地味に李卓吾批評本と毛宗崗本の回目の比較なんぞやっていますが、毛宗崗本の変改で見えにくくなったことを指摘。昨日のエントリで、『三国志演義』そのものが「三」という数字に支配されているという金文京先生の指摘を紹介しましたが、『演義』…

井波律子『中国の五大小説(上)』評(其之四)

そろそろ終りにするつもりですがもう少しだけ。先に関羽の呼称がずっと「関公」になっているという記述が「嘘」だと指摘しましたが、井波先生ご自身、14年ほど前はちゃんとこう書いてました。『演義』はこうして盛り場の講談のみならず、より土俗的な民間伝…

井波律子『中国の五大小説(上)』評(其之三)

もう少し続けます。付言すれば、当時、辺境一帯ではそれぞれ異民族との雑居状態が当たり前であり、雑婚による混血も多かったのです。呉のあたりには、山越と呼ばれる異民族の血統が入っており、「碧眼紫髯(青い目に赤いヒゲ)」とされる孫権も、南方異民族…

井波律子『中国の五大小説(上)』評(其之二)

最初から順番に指摘していこうと思ったのですが、裏取りに手間取る記述もあるので、思いつくままに。この関羽は『演義』のなかで、劉備にもまさるほど尊重される存在です。たとえば「関羽」と名前で呼ばれるのは最初の登場のときだけで、『演義』の原文では…

井波律子『中国の五大小説(上)』評(其之一)

岩波新書。2008年4月22日第1刷発行。294頁。実は本院の方でも一度取り上げてます。まずその記事を再掲。 http://taketaturu.blog68.fc2.com/blog-entry-127.html******* 以下、再掲記事 ********中国の五大小説 上 (1) (岩波新書 新赤版 1127…

量産型劉備(笑)追記

昨日の記事の追記です。肝腎な事を書き忘れていた。『南斉書』李安民伝に以下のような記述があります。先是宋世亡命王元初聚党六合山僭号、自云垂手過膝。州郡討不能擒、積十餘年、安民遣軍偵候、生禽元初、斬建康市。『南史』李安人伝にも同様の記述あり。…

量産型劉備(笑)

正史ネタ(ま、演義でも同じですが)。蜀志先主伝に、劉備の容姿について以下のような記述があります。先主不甚楽読書、喜狗馬・音楽・美衣服。身長七尺五寸、垂手下膝、顧自見其耳。『三国志演義』にも襲用されている表現なので比較的よく知られている記述…

レッドクリフpart1追記

あ、一つ思い出した。献帝の冕冠は十二旒、孫権のは十旒でしたね。この辺の考証はちゃんとやってるんだなあ、と感心したり

レッドクリフpart1

三国志学会の時に前売り券を買っておきながら、やっと行ってきました。色々と否定的な評判を見かけていたので、あまり期待せずに見に行ったんですが……面白いじゃん。何が不満なの?って感じでした。注意!! 以下、かなりのネタバレあり。未見の方注意。ああ…

呂布は美形か

宮城谷昌光『三国志』第2巻(文春文庫)の解説(?)より。厳密には単行本第2巻の別冊附録からの抜萃みたいですが。国際日本文化研究センターの井波律子氏が「『三国志』の美将たち―『正史三国志』から『三国志演義』へ―」という文章を書いていらっしゃいま…